宮本武蔵「五輪書」

先日、TVで「宮本武蔵」を取りあげた番組をしていました。
武の道を極めた武蔵の強さの秘密についての特集でした。



その中で、宮本武蔵が著した兵法書で、宮本武蔵の代表的な著作である
五輪書」(ごりんのしょ)が紹介されていました。
死の直前の正保2年(1645年)にかけて、熊本県熊本市近郊の金峰山にある霊巌洞で執筆されたとされています。



ここで「五輪書」についての説明を少し・・・


書名の由来は密教の五輪(五大)からで、それになぞらえて「地・水・火・風・空」の五巻に分かれています。



地の巻
自らの流を二天一流と名付けたこと、これまでの生涯、兵法のあらましが書かれている。「まっすぐな道を地面に書く」ということになぞらえて、「地の巻」とされている。


水の巻
二天一流での心の持ち方、太刀の持ち方や構えなど、実際の剣術に関することが書かれている。「二天一流の水を手本とする」剣さばき、体さばきを例えて、「水の巻」とされている。


火の巻
戦いのことについて書かれている。個人対個人、集団対集団の戦いも同じであるとし、戦いにおいての心構えなどが書かれている。戦いのことを火の勢いに見立て、「火の巻」とされている。


風の巻
他の流派について書かれている。「風」というのは、昔風、今風、それぞれの家風などのこととされている。


空の巻
兵法の本質としての「空」について書かれている。


主に、兵法書である「五輪書」が今、海外のビジネスマンでとても人気になっているらしいのです。
内容が翻訳されて、沢山の人達に読まれ、ビジネスに取り入れられているとのこと。



ここで、五輪書からの一説を紹介。




「物ごとの景気と云う事は我が智力つよければ必ず見ゆる所也」(五輪の書



人がたくさん集まる場所へ行きなさい。そして情報を仕入れなさい。しかし、人から聞く話や。読む新聞や週刊誌や、あるいはテレビその他から仕入れた情報を、他人と同じように受け止めていたら、それは駄目ですよ。むしろ、その情報の中に含まれている半歩先、一歩先の変化を読みとらなければ、情報をいくら大量に仕込んでも意味はない。そこが、商法に対して、あなたがそれを活用できるかどうかの分かれ目だ。
 同じことを聞いても、同じことを読んでも、違うことを感ずるような情報の処理方法が必要ですよ」

宮本武蔵の人生訓」より抜粋



現代のわたし達に十分、通用するものを感じませんか?
このほかにも、沢山の教えがこの「五輪書」には記されているのです。


武の道を極めた武蔵から学ぶべきこと。

それは、技術を磨くこと(鍛錬をすること)はもちろんのこと、
重要なのは「人間力を鍛える」ということなのでは?と思いました。



時代を超え、心に響く教えがここにありました。