今日、思い出すことが出来た大切なこと

チリの落盤事故で、地下に閉じ込められていた方達の救出が始まったようです。


作業員らは8月5日の事故発生以来、地下625メートルの地点に68日間閉じ込められており、全員を引き上げるには、作業開始から48時間かかる見込みだといいます。



地下の様子を、わたしはTVを通じ、作業員の方々を見守ってきました。
当初、救出は難航とあり、心配になっていたのですが、
技術の結集により、かなり早まったと知り、
救出される日を待ちわびていました。



地下という、閉鎖感に満ちた環境の中、作業員の方々の、
「地上に戻り、家族に会うんだ」といった希望の気持ちが、
世界中に、映像を通じて放映されていました。

作業員の家族の方々も、毎日、気が気じゃなかった事でしょう。



その映像を見て、震災を経験した時の事を、思い出しました。
神戸の大震災により、一瞬にして、生活が一変したのです。
沢山の方々が犠牲になりました。



毎日を、特に何も気にすることなく、家族がいて、仕事をして、食事をしたり、眠ったり、時には、喜んだり、時には悩んでみたり・・・
当たり前で、ごく普通な事。
そのこと全てに、幸せを感じました。



「生きているからこそ」 と。



それから、「一瞬一瞬を大切に過ごしていこう」と心に決めました。



しかしながら・・・


随分と時が経ち、また、何事もなかったような、
全てが当たり前の生活をすごしています。
そして今、恵まれていることに目を向けることが出来ずにいる、わたしがいます。



目先の出来事に心を奪われて悩んで、動けなくなってみたり、
相手が自分の期待通りの行動や言動をしてもらえなくって、
勝手に傷ついてみたり。。。
小さなことで、イライラしてたり、
時には、不満な気持ちが溢れだしてしまいそうな時もあります。



「もっと、こんな風だったらな?」「もっと、もっと・・・」
ホント、求めて、ばっかりなんです。



人は、忘れてしまわないと、生きていくことが出来ないから、
DNAに、「忘れる」プログラムをされているのかもしれません。

痛いこと、辛いことはもちろんのこと、楽しかった思い出や、人として、忘れてはいけない気持ちなんかも、日常に流されて、忘れてしまうのです。




「もし、明日、自分が終わってしまうのだとしたら?」
そんな想像をした時に、思い出す気持ち。



「感謝の気持ち」


これに、尽きると思うのです。



この気持ちがあれば、心の中に、温かい隙間を作ることが出来ます。
何があっても、余裕で受け流すことが出来るし、
物事全てを、肯定し、素直に受け入れることも出来る。
そして、人に対して「おかげさま」の気持ちを持つことが出来る。



今日のニュースで、わたしは、忘れていた、大切なことを、取り戻すことが出来ました。




「チリ落盤事故で地下に閉じ込められている作業員全員が、家族の元に元気で帰還できますように・・・」



そう、心から、願っています。