わたしの起業理由

「どうして、起業しようと考えたのですか?」
初対面で、出会った方には、必ず質問されます。


今日は、「わたしの起業理由」について、お話してみたいと、思います。



わたしの実家は、父親が、輸入車ディーラーを兄弟で経営していました。
父の性格的には、経営者タイプ(カリスマ性が高く、独創性、想像性が高い)
ではなく、どちらかというと、温厚で人付き合いを重視する、
やさしく情が深いタイプです。
母は、もともと身体が丈夫な方ではありませんでしたが、
家事が得意で、家に一日中居るのが好きという、
典型的な専業主婦の両親の元で、三人姉妹の長女として育ちました。



父の仕事(展示会)などがあれば、お手伝いをしたりする、程度で、
父とは、経営はもとより、仕事の話すら、したことがなかったので、
「商売人DNAを持っているのですね」と言われても、
あまりピンと来ない感じでした。



わたし自身の性格を、わたしなりに分析してみると、
幼いころから、好奇心旺盛だったように思います。

その他では、



物事を分析するのが好き
仕事を効率良く処理する
イデアがひらめく
人との関わりが得意
同じではなく、ひとひねりしてみたい(オリジナルでありたい)



こんな感じです。



創業者が出している本などを読んで、いろいろな適正などが記されていたのを見てみると、
「結構、自分に当てはまってるのかも?」その程度の事でした。



「いつか、自分の会社を持ちたい」とか「社長になってみたい」
そんな思いは、さらさらなかったし、逆に、
「経営者は、すべての責任を取らなければならない」と実感していたので
「自分には、荷が重たいだろうなぁ〜」と嫌悪感さえ、抱いていました。



そんなわたしでしたが、知人や友人など周りの方達には
「元地さんって、創業者タイプだよね?!」
「絶対に、独立した方がいいよ」
「こんな会社作りたいと思っているのだけど、一緒にやってみない?」
とお声掛けいただいたりもしていました。



それでも、わたしの気持ちに響くことはなく、
坦々と毎日、一生懸命に、自分に与えられた仕事をやり続けていました。




時は流れ、いろいろな経験を経て、
「人にはそれぞれ、何が何でも、やり遂げなければならない事があるのではないか?」
そんな考えを持ち始めた頃のこと・・・



ある夜、寝ようと思って、何も考えずに布団に入ったとき、いきなり体中を電流が流れたようにビリビリと震えました。


その次の瞬間、
「わたしは、人の役に立つような会社を起業しなければ!」 
そう心の中から強い思いが湧きあがってきたのでした。



「わたしにも、出来る何かがあるはず!!」
「それが、与えられた使命であるのならば、それを逃げずにやってみよう」



今から考えると、単なる、思いこみだったのかも知れません。
でも、その時には、迷いなどは一切無く、目の前に、開かれた未来が見えていました。



それから、「自分に何が出来るのか?」「どんな仕事をすればよいのか?」
ひたすら、考えました。
それと同時に、起業するための知識を得る為に、思いつく全ての行動を始めました。




会社を起業するにも、わたし自身、手に職があるわけではありませんでしたし、
特許などの権利商売も出来ないことは、わかっていましたから、
ひとりで始めるのではなく、同じ目的を共有出来る相方が、必要であることにも気付きました。

相方はどうやって探すのか?



そして、何をするにも、絶対的に必要な資金をどのように、集めるのか?
両親には、甘える事が出来ないし
(資金援助を願い出れるような家庭状況ではありませんでした)
サラリーマンだったわたしに、持ち合わせがある訳もなく・・・



いろいろな問題を解決する必要がありました。




その頃のことを、ふと、思い出したりしてみるのですが、
不思議なことに、あんまりよく思い出せないのです。



起業をしようと覚悟を決めてから、実際に、起業するまで、
一年もありませんでしたから、ものすごいスピードで、今まで過ごしてきた環境が変化していましたから、目の前の事で、精一杯だったからかもしれません。




「わたしの計画が、この世の中で必要なことであり、
それが、正しいことであるのなら、物事をスムーズに進ませてください」


そんなふうに、毎日、祈りにも近いような気持ちでいたことだけは、しっかりと覚えています。


そんな幾つもの壁を乗り越えて、「アクシ株式会社」は誕生することが出来ました。


沢山の方々の支援と応援があったからこそ、起業出来たのだと、感謝しています。



「アクシ株式会社が、この世の中で必要であるのか?
それが、正しい方向で進めているのかどうか?」



これからが、本当の意味で、本質が問われていくのだと、思っています。


日々、思いがけない事柄が多く、正直、辛くなることも多いのが現実です。
恵まれている社会状況ではありませんから。

決断で、悩んだり、迷ったりした時には、必ず、わたしの中で、この言葉を
繰り返し、繰り返し問うことにしています。




もし時間を、起業することを決断した、あの夜に戻れたとして、

「あなたは、もう一度、起業しますか?」 と問われたとしたなら

わたしは、間違いなく、
「アクシ株式会社を起業したい」と答えることでしょう。


一日、一日の地道な積み重ねが、大きな未来に繋がっていくと信じているからです。