「ともおくんと太陽」 友達編
どんどん、歩いていくと、森のふもとにある動物園にたどり着きました。
どこからか、すすり泣くような声が聞こえてきました。
しろくま:「うえぇ〜ん、うえぇ〜ん・・・助けてー。さみしいよ」
ともお:「どうしたの?しろくまさん」
しろくま:「ぼくの大切な、氷のおうちが、とけてなくなってしまったんだよ。
やっとの思いで逃げて来れたんだけど、仲良しだった友達と離れ離れさ。
ぼくは、いつもひとりぼっち。友達がほしいよ・・・」
パパ:「ともお、しろくまさんが寂しくないように、友達になってあげようよ」
ともお:「しろくまさん、ぼくの友達になってくれる?
友達の証に、ぼくの大好物のクリームパンをあげる。
これで、友達だよ☆ もう、さみしくないね。
じつは、ぼくね、太陽さんを元気にするために、旅をしているんだよ」
ともおくんは、出掛ける前に、リュックサックに入れておいた、クリームパンを、しろくまさんに渡しました。
しろくまさんは、それをおいしそうに、食べました。
しろくま:「ありがとう!きみはやさしいね。ともおくんと友達になれてよかったよ。
お礼に、これをあげよう。これが、怖いことから、きみを守ってくれるよ。
きみのその優しさで、かならず、太陽さんを元気にしてあげてね。
この先に、滝があるよ。そこへいってごらん」
そう言って、先が尖った槍をもらいました。
その槍持つと、ともおくんは、なんだか、心がどんどん強くなって、
なんでも乗り越えていけそうな、そんな気持ちになっていました。
しろくまさんとお別れをして、二人は、また元気よく歩きだしました。
滝に着くと、大きな洞窟がありました。洞窟の中は真っ暗です。
中からは、強い風がヒューヒューと吹いています。
ともおくんは、怖くなって、泣きそうになってしまいました。
すると、さっきしろくまさんから
もらった槍の先がロウソクの光のように、灯りだしました。
その光を見ているうちに、
ともおくんの心の中から、怖い気持ちがいつの間にか消え、
代わりに、勇気がどんどんわいてきました。
ともお:「もう大丈夫!ぼく、怖くなんかないよ」
ともおくんとパパは、その槍の光りを頼りに、ゆっくり洞窟の中に入っていきました。
続く・・・