「ともおくんと太陽」 友情編
イカリのマークがある町に到着すると、ともおくんを呼ぶ声が聞こえてきました。
見ると、赤いポストの横に手紙さんが立っていました。
手紙:「ともおくん、待ってたよ。太陽さんに、伝えてほしいこが あるんだ。
最近みんなが、手紙を書いてくれなくなって、寂しいんだ。心が凍えそうなんだ。
寒いよー。
やさしい言葉を使って、大切な人に、思いを伝えることができたら、
幸せな気持ちが広がっていくのになぁ・・・。
もし、太陽さんが元気になってくれれば、僕の震えも止まるかなぁ?」
パパ:「ともお、手紙さんの言葉をみんなに広めようよ」
ともお:「そうだね、パパ。 手紙さん、ぼくが、みんなに、手紙さんの言葉を広めて、
太陽さんを元気にするから、それまでがんばって」
手紙:「ありがとう。君のやさしさをもらって、少し暖かくなったよ。
きみが探しているものは、これかな?
お別れは寂しいけれど、そろそろ、次のところに行かなくてはいけないね。
ほら、海の方から、助けを呼ぶイルカさんの声が聞こえるかい?!
イルカさんのところに行ってくれないかな?」
そう言って、とても優しい文字をもらいました。
それをまた、リュックサックに入れ、手紙さんとお別れして、二人は、
また歩きだしました。
町をぬけると、海に出ました。その海は、ともおくんが知っているいつも穏やかな、
美しい海とは、まったく違っていました。
波打ち際に、イルカさんが、悲しそうに横たわっていました。
イルカ:「ともおくん、待っていたよ。ぼくは、千年もの間、この海を守ってきたんだ。
それなのに、綺麗だった海が、いつのまにか、人間たちが出したゴミで
いっぱいになって、今では、自由に泳ぐことも出来ないんだ。
昔みたいに、ぼくの得意なジャンプをみんなに見せたいなぁ〜」
パパ:「ともお、イルカさんのために、海を綺麗にしようよ」
ともお:「ぼくがイルカさんを助けてあげる。海を綺麗にする。 約束するよ!」
ともおくんと、パパはゴミをひろいはじめました。
一生懸命に拾っていくのですが、いっこうに綺麗になりません。
すると、それを見ていた、海のみんなが、ひとり、またひとりと集まってきました。
ともおくんの周りには、いつのまにか、たくさんのともだちがいました。
くじら:「ぼくも手伝うよ」
さかな:「僕たちも手伝っていいかい?」
やどかり:「ぼくも!」
かもめ:「わたしも!」
パパ:「ともお、みんなが手伝ってくれているよ」
ともお:「みんな、ありがとう☆」
海のみんなが手伝ってくれたので、海はすっかり綺麗になりました。
イルカさんは、喜んで、元気いっぱい、喜びのジャンプをしています。
イルカ:「ありがとう!ともおくん。ほんとにありがとう!!
ともおくん、これは、ぼくと海のみんなからのお礼だよ。
ぼくのともだちのしろくまくんが、ともおくんを待っているみたい。
会いにいってくれるかい?」
そう言って、イルカさんから、透明のすきとおったガラスの石を、もらいました。
ともお:「ありがとう!イルカさん、ありがとう!みんな〜」
ともおくんは、手を振りながら、イルカさんと、みんなにお礼を言いました。
そして、ガラスの石をリュックサックに入れ、また、歩きだしました。
続く・・・