「あたりまえ」 に感謝♪

最近、毎日のように、世界で起こった災害のニュースを目にします。
一瞬にして、全てのものを失ってしまう怖さは、それを経験した者でないと分からないのかもしれません。

災害に合われた方達が 「希望を失わず、強く生きていくことが出来るように・・・」と願っています。



去年の真夏の最中、佐用町(兵庫県の南西部に位置)の川が氾濫し、洪水になった際、災害救助ボランティアとして、参加させていただいたことがありました。


災害をTVニュースで、自分の家が水浸しになり、呆然としている、お年寄りの女性の姿を見て、いてもたってもいられない気持になりました。
わたし自身が、神戸の大震災を経験していたことも理由の一つかもしれません。

「たとえ微力だとしても、同じ兵庫県民として現地の方達に少しでもお役にたつことが出来たなら・・・」 そんな気持からでした。




自宅から、車で約1時間30分、その日は、とても蒸し暑く、お昼に食べる為に、握っていったおにぎりが、昼頃には傷んでしまい・・・
現場は、泥だらけで、足元がぬかるみ、長靴を履いていても歩くのも大変な状態でした。


ボランティアの集合場所である、小学校には、すでに沢山の方達が集まり、仕事の分担の説明を受けていました。


入り口には、全国から送られてきたと思われる、水、シャベル、雑巾、布団、マスク、、、等の沢山の救援物資が置かれてありました。



5名程が1チームとなり、救援を要請している民家へ赴き、その家の方に指示を受け、作業を始めます。


わたしは主に、家の中の床下まで、入り込んでいる泥を外にかき出し、その後、水洗いをし、拭きあげる作業を担当しました。


泥には、川の不純物や、排泄物などが混じり、この世のものとは思えない匂いを放っていて、1時間も作業をすると、あまりの異臭で頭が痛くなるほどで、途中で脱落される方も後を絶ちませんでした。


かき出しても、かき出しても泥が、後から後から、湧き出ててきて、終わりが見えない状況と、匂いと暑さのダブルパンチで、気が遠くなってきた時、窓の外に、道路の復旧のために、消防団の方達が、腰まで泥に浸かり、懸命に作業されている光景を見ました。

「ここの人達は、この状態が毎日続いているんだ」
弱気になっていた自分が恥ずかしくなりました。



災害の復旧には、人の力以外、何も訳に立たないのです。
救援物資より先に、「人力」が絶対的に必要なのです。



詰まっていた思い出もすべて流され、見渡す限り、泥だらけになった家・・・
ご家族の方達の気持を思うと、胸が痛くなりました。



その日の作業が終了する、夕方4時になったころ、
「終了〜」という掛け声とともに、
「よかったら、これ、食べていってください!」
「今日は、ホントにありがとうございました!!」と言って、
イカをごちそうになりました。



こんな状態にも関わらず、ボランティアの私たちの為に、スイカをごちそうして下さった、地元の方達のその思いに、また胸が詰まりました。


イカの味は、体いっぱいに広がり、人と人との繋がり、助け合いの大切さの味がしました。



普段の何気ないすべての事が、「あたりまえ」ではないのだということに気付けた、   貴重な経験でした。


「あたりまえに、ありがとう☆」