文明開花


基本、現金支払い主義で、カード嫌いなわたしは
バスや電車の乗り継ぎに便利な「PiTaPa」が導入されてから
随分と時間も経ち、周囲がスイスイゲートをすりぬけて行く人達を横目に、加入することに、意味も無い抵抗をしていた。



そして「経費節減」という名目を掲げ、外出の度、ディスカウントチケットショップに
立ち寄っては、目的地駅までの切符を購入し、少し、安く切符を手に出来たことに、
満足していた。



が・・・・



最近になって、外出も以前よりさらに増え、
各路線の乗り継ぎも頻繁にするようになり、
ディスカウントチケットショップを探し、そこまで足を向ける行動に、
何か違和感を覚えるようになってきた。



意識がそこへ向くと、いまどき、切符を改札口に通す自分が
世間から取り残されてしまった、古型人間のようにも感じてくる。



さらに「切符を無くさないように」と、
強く握りしめて手に持っていたはずが、降りる駅になり手を開いてみると
さっきまで、手にあったはずの、切符が消えている・・・


「すみません。切符なくしました・・・」を駅長さんに何度、告げたことだろう。
これじゃ、経費節減どころではない。




自分の奥底にある、小さなこだわりを取り払い
わたしは、ついに、「PiTaPa」へ加入を決意したのである。



そして、本日、カードが届き、早速、使ってみることにした。




「快適すぎる☆」




やはり、文明の力にはかなわない。

物事には、こだわりも大切だが、時には流されてみることも大切であると気付いた。