思い出が華に変わる時

寝るのが大好きなわたしですが、めずらしく
昨夜は、蒸し暑さもあり、なかなか寝付くことができませんでした。



そこで、自分の部屋にある、書類を入れている戸棚の整理をすることにしました。
重要な書類や、パンフレットや思い出の品などを、整理する前に、とりあえず、ここに一時保管しておく為の場所です。



基本的に、物を溜め込まない方なので、それほど大変な作業ではなかったのですが、一つずつ見て、確かめていくと、面白いものが沢山出てきました。
その存在自体、すっかり忘れていたぐらいです。



その中で、面白かったものをひとつご紹介したいと思います。



それは、大きさにしてA4の用紙にぎっしり書かれたメモでした。



内容は・・・



「自分の棚卸し」と名目された、自分自身の性格や考え方、特徴をキーワード化し、
「良い」「悪い」で分別されたものと、
「好きなこと」「嫌いなこと」
「自身で思う自分のイメージ」「他人からみた自分のイメージ」というもの。



これを書いたころの自分を思い出してみました。



今からちょうど、7〜8年前、サラリーマンをしていた時代、
仕事が人生のすべてだと思っていた頃でした。
自分の描いたシナリオ通りに、仕事を進めることに、生きがいを感じ情熱を注いでいました。



毎日、フル回転で完璧に仕事をこなし、何か問題が起これば、その解決策をひたすら考え、思い悩んでしまう日には、夢にまで、仕事を持ちこんでしまう・・・



もともと、あまり器用な性格ではなく、何かに集中してしまうと
果てしなく没頭してしまって、周りが見えなくなってしまうところがありました。



仕事以外の、プライベートの方はというと、それなりに、楽しくはしていましたが、誰かと深く関わってしまうことで、仕事に支障がでるかもしれないと思い込み、(仕事運が取られる的な 笑)自ら遠ざけてしまっていた様に思います。




ストイックな状態に常に身を置き、あえて、仕事一筋。
この時代にして、修行僧?!仙人?!のような自分に憧れ、そういう自分を作り上げている。。そんな生活をしていました。



今思い返してみると、完全にバランスを崩していると感じます。
その頃は、悲しいことに、そんな自分にまったく気付けずにいました。
逆に、「カッコイイ」とさえ感じていたぐらいです。



一方で、バランスを解した状態は、精神的にもかなり辛い状態でありました。
責任ある、仕事を任され、頑張れば頑張る程、周囲の期待値が上がってきて、
それに、答えないといけないという責任と使命感に支配され、あれだけ好きだった仕事に、楽しみを見出すことが出来なくなっていました。
それだけでなく、気持ちに余裕がなくなって、自分にも、他人や家族に対しても厳しくなっていました。




そんな態度の自分に、嫌悪感をいだいていたのに、
弱みを見せたくない一心で、普通に振る舞い続け、人に相談するどころか、どんどん自分の殻に引きこもってしまい、奥深いところで、叫び続けている魂の声に耳を傾けることも出来ず、限界の状態まで追い詰められている状態でした。




そんなある日、たまたま、営業途中に少し休憩をしようと立ち寄った公園にあった、ブランコを見つけ、乗ってみることにしたのです。



ブラ〜〜〜ン   ブラ〜〜〜〜ン・・・



子供の頃に、家の向かいの公園にあったブランコで友達と遊び、
目に入る、すべての世界がキラキラしていた頃のことを思い出すと急に、
涙が溢れてきました。
そこで、ひたすら泣きました。



ブランコのふわ〜とした感覚が、わたしの心を開き、素直な心を取り戻してくれたのかもしれません。
そして、しばらくして、


「まあ、いっか」


そんな気持ちになりました。


その夜、昔、知人に教わったままにしてあった、
「自分自身の棚卸し」を試してみることにしたのです。



紙を前にして、一心不乱に思いつくままに書き込みました。
自分と初めて向き合う瞬間でもありました。



「良い」より「悪い」、「好きなこと」より「嫌いなこと」の方が項目が多かったり、周りの目や評価を、気にし過ぎていることが分かり、びっくりしたのを覚えています。



「周りの人なんて、自分が思うほど、わたしのことなんて気に留めていないんだよね」



そんなことが分かると、一気に気持ちが楽になりました。



「わたしは、わたし」



いろいろな経験を積み、さまざまな感情と向き合うことで、
今に繋がっていくのだと思っています。



この思い出も時と共に、華に変えて
わたしの心の片隅へ飾っておくことにしましょう。



みなさんの心には、どのような華を咲かせていますか?