「ともおくんと太陽」 最終編
公園に着いたころには、空はすっかり、雲が厚く薄暗くなっていました。
ともおくんは、弱ってブルブル震えて、今にも消えてしまいそうな太陽さんに、
駆け寄りました。
ともお:「太陽さん、約束どおりに5つの宝物を全部そろえて、戻ってきたよ。
これで、元気になれるんだよね?」
太陽:「ともおくん、ホントにありがとう。きみたちの帰りをずっと待っていたんだよ。
旅をして、ずいぶん強くなったようだね。ほんとに、よくがんばりましたね。
5つの宝物をここに、そろえて並べてごらん。
その、頭文字に、わたしが本当に、ほしかったものが隠れているんだよ。
それが、何か見つけてくれないかな? 最後のわたしからのお願いだよ」
ともおくんは、宝物をそろえて、頭文字をそろえてみました。
王冠の「お」 文字の「も」 石の「い」 槍の「や」 龍の爪の「り」
ともお:「お・も・い・や・り・・・パパ、おもいやりってなあに?」
パパ:「それはね・・ともおは旅の途中で、たくさんの経験をしてきたね。
その時にいつも、みんなのことを思って、
みんなの気持ちを一番に考えてきたね。 その気持のことだよ」
ともお:「やさしい気持ち、あたたかい気持ち・・・
そっかぁ〜 おもいやり!! 太陽さんは、おもいやりが、ほしかったんだね」
太陽:「ありがとう!ともおくん。よく気付いてくれました。
これで、わたしは、元気になれることが出来ます。
これからも、おもいやりの気持ちを、忘れないでね・・・」
空は、曇った空が晴れ渡り、太陽さんは、みるみるうちに、力を取り戻し、空高く戻っていきました。
晴れ渡った空には、とても気持ちいい風が吹いていました。
おしまい